変わりゆく日常で生まれた「若者のエネルギー(力)」をコンセプトに、京都市内に在住、もしくは通勤・通学している13 歳から30歳までの個人、またはグループを対象に、作品を募集し、全21作品の応募がありました。

アーティストや芸術関係者、青少年で構成されたユスカル!審査員によって、ユスカル!大賞・次世代アート賞・特別賞の受賞作品を選び、令和3年1月31日(日)にロームシアター京都にて受賞作品の表彰式を開催しました。

ここでは、受賞作品と、審査員からの講評をご覧いただけます。

表彰式

表彰式と展示のダイジェスト版動画をご覧いただけます。

「2020年 5月 木漏れ日」

 鈴木大晴さん

2020年の春を過ぎた頃、新型コロナウイルスの影響で心が縮こまっていました。ほとんど誰にも会えない生活が続く中、唯一の救いが散歩でした。そんな日々のある日の散歩中に木の間から射して来た光と共に舞い降りて来たイメージを作品にしました。ワンルームの自宅に置いてある織り機で制作しています。 


「子供部屋から宇宙を見ていた」

 PARAISO

「小さな窓から見えるこの空だけが、カーテンを揺らす風だけが、理由だったんだ」

「子供部屋」をキーワードに、宇宙や深い海の底を舞台にした6曲を収録。可愛らしくてどこか儚いサウンド・イラストに、大人と子どもの狭間で揺れ動く切実な思いを重ねました。生きるのが下手なあなたに贈る、PARAISOの1stミニアルバム。


「無題」

 かもさん同盟

緊急事態宣言解除後から二人で創作を始めました。第三波を受けて作業が中断していたところ、出展を機に一度創作を終えました。

わたしたちの生活。そしてかわらぬ四季に、かもさん同盟の想いを込めて。

 


全体講評

全体として作家自身と向き合いながらも,身近な誰かや社会に対しての視線があり「伝えたい,届けたい」という思いの感じられる作品が多く,興味深く拝見しました。作品を多くの人に見てもらい反応が得られる今日のような機会はとても貴重で,より素晴らしい表現・アート作品が今後も生まれることを期待しています。

アートの種まき「cumin project(クミンプロジェクト)」代表

小牧 徳満(こまき とくみつ)


出展された皆さん、本当にお疲れ様でした。コロナ時代とも言っていい今日です。そして様々なことを選択できる時代です。そんな中、モノ作りや創作活動を選択されたことに高い敬意を払います。作品一つひとつ、拝見させていただきました。作品全体を通して、とても制作意欲(エネルギー)があり魅力的な作品が多く、素敵な作品展でした。また、改めて創作という行為はとても尊い(すごい)事だと感じています。今回、賞に選ばれた方も選ばれなかった方も、今後も制作意欲や自分の中から湧き出てくるものを、創り出されることを期待しています。また、どこかで皆さんの作品を見れること楽しみにしています。。そして、良い空間をありがとうございました。

美術家 出川 晋(でがわ しん)


「他の人と違う」ことが最大のほめ言葉となる表現が、若い世代にとってより広い扉となってひらかれていく可能性を感じました。アートやアーティストの定義や、鑑賞する方法もよりひろがっていくといいなと思います。

みずのき美術館キュレーター及びソーシャルワーク アートカンファレンスディクレタ—

奥山 理子(おくやま りこ)


今回展示を見させていただき、作品の多様性に驚きました。視覚で楽しむもの、聴覚で楽しむもの、質感の違いなどなど。「アート」という言葉の幅広さを改めて実感しました。それぞれの良さがあり、選ぶのが難しかったです。 変わりゆく日常の中で、苦しいことや辛いこともあるかと思います。それでも、前を向いていこう。また、新しいことをしよう。頑張っている人へエールを送ろう。そんな温かさを感じる今だからこその展示だったと思います。

企画団体「世界平和」主宰

駒 優梨香(こま ゆりか)


まず、作品がとても多様でした。それは形、色、素材、音といった表面的なことだけではなく、あたたかさやつめたさ、静と動、透明感や重厚さなど、各作品の中につまっている感触についても言えます。それが作者の意図していたものと必ずしも一致しないかも知れませんが、何かが伝わってくるというのは作者がそれだけのものを(今回のコンセプトで言うなら「エネルギー」を)込めたからだと思います。アイデアを練るときのグルグルした時間、形にするときの丁寧さ、そして作ること自体のワクワク感や手ごたえ。そうした時間や感覚が各作品に注がれている気がします。また、そうした多様な作品が集まったことで、観る側、聴く側として、次々に異なった作品世界を渡り歩くことができ、そのことによってアートというもののさまざまな魅力に気づかされました。それぞれが異なる存在感、けれどもそれぞれの世界(あるいはその入口)がそこにはちゃんとありました。

同志社大学大学院社会学研究科1年

杉田 晴希(すぎた はるき)


一つ一つの作品に様々な意味や想いがあり非常に面白かった。
歌をアートにしたりネックレスをアートにしたり自分の想像力が豊かになる作品が多かった。

京都芸術大学附属高等学校2年

大島 直敬(おおしま なおたか)


ノンジャンル、バラバラこそ、若さなのかな。
テクニックや、ととのっていることばかりに目をむけがちな自分が、一回リセットして感じてみたいと思いました。
でもできない…

公益財団法人京都市ユースサービス協会 事務局次長

松山 廉(まつやま れん)